今年度も自閉症スペクトラム障害(ASD)の青年5名に対して、キャリア教育プログラムを10回行った。プログラム内容として、第1回「1年間の目標」、第2回「ソフトスキル(時間管理・金銭管理)」、第3回「ソフトスキル(余暇の過ごし方)」、第4回「ストレスマネージメント」、第5回「仕事や親に対する考え方の変化」、第6回「異性について考える①」、第7回「異性について考える②」、第8回「異性について考える③」、第9回「この3年間のまとめ」、第10回「プログラムの振り返りと今後について」であった。保護者グループについては昨年度でプログラムとしては終了となったため、今年度については自由な語りの場としての集まりを年間5回持った。 キャリア教育について、高等学校においての実態調査を予定していたが、同様の研究がいくつか見られており、新たな研究を行う積極的な意味がなくなったために、発達障害の子どもを持つ勉強会を、参加者だけではなく広く参加者を募って8月に行った。内容は「自閉症スペクトラムの青年期の心理発達とキャリア教育―青年の自立と親の子離れを考える―」であった。講話会と同時に参加者に対して子どもを育てる上での親の役割についての質問紙調査を行った。 プログラム内容について学会発表を、日本LD学会(福岡)、日本カウンセリング学会(岡山)、日本児童青年精神医学会(横浜)にて行った。さらにその成果を広く周知することを目的として作大論集および作新学院大学臨床心理センター研究紀要にて発表した。
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