研究課題/領域番号 |
25381319
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研究機関 | 高崎健康福祉大学 |
研究代表者 |
松田 直 高崎健康福祉大学, 人間発達学部, 教授 (60099942)
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研究分担者 |
上田 征三 東京未来大学, 公私立大学の部局等, 教授 (50309639)
金澤 貴之 群馬大学, 教育学部, 教授 (50323324)
吉野 浩之 群馬大学, 教育学部, 准教授 (60438637)
霜田 浩信 群馬大学, 教育学部, 准教授 (80364735)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 知的障害 / 特別支援学校 / 個別カリキュラム / キャリア教育 |
研究実績の概要 |
群馬大学教育学部附属特別支援学校は、過去10年余り、個別カリキュラムから授業実践を創る試みを継続してきた。すなわち、個々の児童生徒の実態を的確に把握し、個々の教育ニーズに見合った一人ひとりの教育課程を作り、それを基にして単元と小集団を構成し、授業を通してそれぞれの子どもの目標を達成していこうというものであり、実践の評価・改善策の具体化までもシステム化されている。もちろん、このシステムは実践を通してパーションアップを重ねてきている。その一方、群馬大学教育学部障害児教育講座の教員を中心として、平成15年から「重度障害者の就労促進を目指す研究開発プロジェクト」を組織し、科学研究費補助金を得ながら、附属特別支援学校の教員等と共同で実践的な研究を進めてきている(代表者の松田は平成23年度から現在の大学に異動したが研究は継続、毎月群大附属特別支援学校でプロジェクトミーティングを開催)。 平成26年度は、特に高等部生徒が地域で喫茶店を開く取り組みを発展させ、個別カリキュラムをベースにした小集団の指導の充実を図った。基本的に毎週1回、前橋のアーケード街で喫茶サービス(無料)を実施し、事前の指導・営業中の指導・閉店後の振り返り・それに基づく次回の改善点の明確化を重ねた。その一方では、ビルメンテナンスの作業についても、本格的な清掃用具を用いて、特別支援学校だけでなく、同じ敷地内にある附属小学校の教室や廊下の清掃作業を試みた。これらの成果は、附属特別支援学校の公開研究会や研究紀要、教育学部の研究紀要等で公開している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究テーマに関して、研究代表者・分担研究者を中心に、群馬大学教育学部附属特別支援学校教員や福祉事業所の施設長等と毎月研究協議の場をもっており、個別カリキュラムをベースにして、小学部から高等部までキャリア教育を行うという視点(具体的には、「子どもの将来を見通して、大切にしたい12のこと」)から日常の授業実践を行うことが定着してきている。さらに高等部では前橋市のアーケード街で一般市民を対象としたカフェを開き、接客の実際を学習することが定着し、実践上の配慮点などが整理されてきた。また、ビルメンテナンス作業についても、道具の使用方法、清掃結果の確認方法など、細かい指導が個々の生徒に応じて実践され成果を挙げている。
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今後の研究の推進方策 |
群馬大学教育学部附属特別支援学校の卒業生の就労実態を把握するとともに、引き続き「子どもの将来を見通して、大切にしたい12のこと」の検討を行う。 個別カリキュラムとキャリア教育の授業実践との関係について分析し、成果を整理するとともに今後の実践的な課題も明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
分担者の一人が、予定よりも安く購入できた物品があったことに後で気づいたことと、代表者が購入した物品が予算を超えていたため支払いを27年度に変更したため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
27年度に速やかに執行する予定である。
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