就学前の読み障害リスクマーカーを見出すことを目的として、①読みと音韻情報処理能力の6年間の縦断調査、②年長~小1の2年間の調査、③年中~年長の2年間の調査を行った。各発達段階での低次の読み(decoding)と高次の読み(読解等)を予測するもの、能力間の関係を分析した。就学前の音韻情報処理能力は、RAN色、語想起を媒介とし、小1のdecodingに影響し、小1の音韻情報処理能力とdecodingは、小6の読解力を予測することが見出された。ことば遊びは、就学前の読み障害リスク検出手段として活用できること、また、こうした遊びを促すことは、リスク児の音韻意識を育て、予防的意義があることが示唆された。
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