研究課題
成人自閉症スペクトラム(ASD)のデイケアについては、本研究費ほかによる研究として、すでに昭和大学附属烏山病院を中心に着実に実績を挙げつつある。ショートケアプログラムは全20回のマニュアルとワークブックとして平成29年4月に星和書店より刊行された。本研究はこの標準化プログラムを基礎として、当事者の特性別にグループ化して、付加的プログラムは必要か、必要とすればその規模と内容はどのようなものかを探った。同時にそれぞれのグループでの成果を発表した。1)感覚統合訓練としての音楽運動療法を、平成27年度までに全6回のプログラム中4回以上参加できた症例数は合計で22名となり、気分とQOLの変化を質問紙法で評価した。抑うつ気分、混乱、身体機能、社会的役割といった項目で有意に改善がみられた。この成果は平成28年11月の台湾高雄市における国際会議シンポジウムで発表した(小口)。2)ASDは男性に多く、配偶者は多くは女性である。無意識のうちに現れる妻への気配りの欠如、非言語的コミュニケーションの無さから妻がうつ状態になる状態は、マスコミによって「カサンドラ症候群」という名称が喧伝された。その症状があるとして研究代表者の外来を訪れる夫婦が最近飛躍的に増えつつある。彼女らを集める「パートナーの会」を3回実施し、参加者からは強い支持が得られ、その様子は読売新聞に掲載された(加藤、金井、定松)。3)当事者の手記を雑誌「治療」で計16回行った(定松)。4)大学生(同等レベルの若年者も含む)対象の月1回のグループワークを開始した。成果について平成28年8月に関係者が集まり、意見交換をした(加藤)。一橋大学では付加的プログラムでグループワークを実施し、ピアサポートの関係がグループ内に芽生え、相互理解が進むことを発見し、日本精神神経学会のシンポジウムで発表した(加藤、丸田)。
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