研究課題/領域番号 |
25381332
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研究機関 | 関西国際大学 |
研究代表者 |
中尾 繁樹 関西国際大学, 教育学部, 教授 (50515369)
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研究分担者 |
百瀬 和夫 関西国際大学, 教育学部, 准教授 (10619141)
藤田 継道 関西国際大学, 教育学部, 教授 (50099941)
濱名 陽子 関西国際大学, 教育学部, 教授 (60164919)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | インフォーマルアセスメント / 不器用 / 行動分析 / ソフトサイン / 運動プログラム / 体づくり |
研究実績の概要 |
Ⅰ「発達に課題のある乳幼児・児童生徒の行動分析Ⅱ」行動コーティングシステムを導入して、「片足立ち、タンデム歩行、眼球運動」について2次元軌跡を分析し、認知発達、共同注意の発達、母子相互作用、行動パターン等を基に集計、解析し、作成したインフォーマルアセスメントの項目を精査し、新版K式発達検査、WISC-Ⅳ等との結果との関連、考察をし、「個別のインフォーマルアセスメントの手引」を作成実践を始めた。 Ⅱ「通常の学級における実態調査及び実践」①読み書きや学習規律の基盤となる子どもの身体に関する観点から定点調査の項目を決定し、合わせて評価基準を決めた。②協力校で定点調査を5月と12月に実施し、結果から考えられる子どもの身体の力の背景と学校で見られる子どものインフォーマルアセスメントの結果について照らし合わせながら、協力校との情報交換を行う。③教職員へのアンケートで行動分析の結果と教職員の臨床観察項目の一致を精査している。④一斉指導でできる身体づくりの活動案・校内環境の作り方・体育への取組などの提案をし、協力校の校内研究と連携し、研究結果とプログラム化の効果の調査を始めた。⑤協力校の活動の経過を観察し、助言や情報交換を行った。⑥通常の学級担任が、学校生活で観察できる子どもの行動と、その行動の基盤となっている体の様子への気づきを助けるインフォーマルアセスメントのチェックシート試案を作成している。⑦子どもの発達確認からチェックシートと身体運動プログラムの有効性を検証し、2次障害の予防プログラムを作成する予定である。。⑧「学級でできるインフォーマルアセスメントの手引」を作成実践し、指導前の授業と指導後の授業比較を行動コーティングシステムを使い分析し、教師のスキルアップおよびスキルの継承を科学的に実証を始めている。⑨身体運動プログラムの実践と効果測定。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の基盤となる「学習に向かうために必要な身体の力」「子どもの身体の現状と学習に向かう力との関係」「インフォーマルアセスメントの実際」についての先行研究事例及び海外でのインタビュー・調査を進めてきた。また、読み書きや学習規律の基盤となる身体の力を、ソフトサインの視点から捉え直し、具体的なアセスメントシートの作成と、定点調査を行ってきた。データ結果から見られるアセスメントシートの有効性の検討において、研究協力校及び研究協力センターでの実践事例を基に「体づくりプログラムの作成とその効果の検討」を行った。行動分析と具体的対応策を研究協力校に依頼し実践していただいた。さらに不器用児及び発達障害児等の基礎データとして行動分析装置を用いて、5歳~小学校3年生約500名に対して、「片足立ち、眼球運動、タンデム歩行」を実施し、健常群、不器用群に分けて不器用の基準作りを行った。その基準を用いて、自閉症児の運動プログラム実施後の効果測定を行っている最中である。これらを通して、教員の資質向上と二次障害予防のための縦断的・横断的指導のために「通常の学級でできる行動分析」を行い、インフォーマルアセスメントの具体化を図ってきた。これらの結果をもとに保育教育現場でできる実態把握及び具体的指導プログラムの開発中である。また、ワシントン大学自閉症センター、ニューヨーク市小学校、オックスフォード市の小学校・特別支援学校とも引き続き連携し、情報交換と運動に関してのルーブリック開発を行っている。最終年度延長にあたって、行動分析及び協力校、センターでの実践が長期間にわたったため、今年度1年の実践が必要になっている。
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今後の研究の推進方策 |
Ⅰ「発達に課題のある乳幼児・児童生徒の行動分析Ⅲ」①行動コーティングシステムを導入して、「片足立ち、タンデム歩行、眼球運動」について2次元軌跡を分析し、不器用さに関する基準を作成する。②発達障害幼児の、「片足立ち、タンデム歩行、眼球運動」を指導前後で集計、解析し、作成したインフォーマルアセスメントの項目を精査し、新版K式発達検査、WISC-Ⅳ等との結果との関連、考察をし、「運動プログラムの効果測定を行う。 Ⅱ「通常の学級における実態調査及び実践」①協力校で定点調査を5月と12月に実施した結果から子どものインフォーマルアセスメントの結果について照らし合わせ、協力校との情報交換を行う。②教職員へのアンケートで行動分析の結果と教職員の臨床観察項目の一致を精査していく。③一斉指導でできる身体づくりの活動案・校内環境の作り方・体育への取組などの提案をし、協力校の校内研究と連携し、研究結果とプログラム化の効果を図る。④協力校の活動の経過を観察し、助言や情報交換を行う。⑤通常の学級担任が、学校生活で観察できる子どもの行動と、その行動の基盤となっている体の様子への気づきを助けるインフォーマルアセスメントのチェックシート試案を作成・実践する。⑥「学級でできるインフォーマルアセスメントの手引」を作成実践し、指導前の授業と指導後の授業比較を行動コーティングシステムを使い分析し、教師のスキルアップおよびスキルの継承を科学的に実証を行う。 Ⅲ「身体運動プログラムの実践と効果測定」のデータを一般化させ、不器用の基準を作成していくために、ワシントン大学自閉症センター、ニューヨーク市、オックスフォード市の小学校・特別支援学校とも引き続き連携し、情報交換と運動に関してのルーブリック開発を行っていく必要がある。 Ⅳ成果を今年度、来年度でLD学会、日本小児神経学会等で発表報告する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
①不器用基準に関するルーブリック作成のための海外連携が継続で必要になった。 ②報告書の作成
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次年度使用額の使用計画 |
①9月にワシントン大学もしくはオックスフォード地域小学校への海外調査を行う。 ②3月に報告書を作成する。
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