研究課題/領域番号 |
25381339
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研究機関 | 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 |
研究代表者 |
久保山 茂樹 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 企画部, 総括研究員 (50260021)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | インクルーシブ教育システム / 幼稚園 / 保育所 / 早期からの支援 / 幼保小連携 / 保護者 / 就学支援 / 相談支援ファイル |
研究実績の概要 |
特別な支援を必要とする子どもやその保護者に対して、早期からの一貫した支援の実現が求められている。特に就学に際し支援が連続したものになるよう様々な取組が行われている。しかし、幼稚園と小学校との連携や幼稚園と保護者との連携を具体的に検討した研究は見られない。そこで、本研究では、就学支援シート等の内容や活用方法、就学に向けてのケース会議や体験入学等の実施状況、子どもの状態に関して幼稚園と保護者とが共通理解を深める方法等について、調査研究や事例研究を通じて明らかにし、教育現場で活用できる資料を提供することを目的とする。 上記目的の達成のため、本研究は3年間で以下の研究①から研究④を実施する計画である。 【研究①】:特別な支援を要する子どもについて、幼稚園と保護者とが共通理解を深める方法に関する調査研究。【研究②】:就学に際し幼稚園が小学校に提出する文書や引き継ぎ方法等に関する調査研究。【研究③】:特別な支援を要する子どもの支援を継続するための取組に関する調査研究。【研究④】:一貫した支援を実現するための取組を利用した子どもに関する事例研究。 平成26年度は研究①、研究②及び研究④を実施した。研究①(2年目)では、平成25年度に幼稚園5園(公立3、私立2)の教諭48名(公立25名、私立23名)を対象に実施した調査について、データを整理、考察した。その成果について日本保育学会第67回大会で発表した。研究③(1年目)については、研究①で調査研究を実施した幼稚園のうち3園に事例研究を依頼し、平成27年度に継続する予定である。このうち1園については試行的に過去の事例を整理し単行本の1部として公表した。研究④(2年目)では、就学期において連携を重視している幼稚園、保育所、小学校、市幼児教育センター1か所、市特別支援教育推進センターを訪問し、連携内容や方法について資料収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究2年目にあたり調査研究と事例研究を継続した。その結果、研究①については、幼稚園教諭と保護者とが、子どもの教育的ニーズや必要な支援について共通理解するまでの過程を明らかにすることができた。研究③では、幼稚園や小学校が独自に試みている幼小連携の実態や、行政施策として幼児教育センターや特別支援教育推進センターが実施している幼小連携の実態について調査することができた。これらの資料については平成27年度に整理し考察する予定である。研究④については、一貫した支援を実現するための取組について幼稚園の1事例について検討した。事例研究を平成27年度まで継続し、より多くの事例から検討を深めていく予定である。 平成27年度にはこれまで着手していなかった研究②の大規模な調査を行う予定である。計画的に取り組んでいく必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度のは相談支援ファイルや就学支援シートの内容や活用に関する全市町村悉皆調査を予定しており、年度当初から計画的に実施していく。 平成26年度から継続している事例研究については、そのとりまとめ方法や公開の在り方について検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費において安価な航空運賃を選択する等により予算額よりも大幅に支出額が少なくなった。 平成27年度に全国規模の調査を予定しており、必要な経費を確保することとした。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度に全国調査を予定しており、調査経費として使用する計画である。
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