有機薄膜太陽電池の短所として光電変換効率の低さが挙げられ、この改善手法の1つとして薄膜内部における構造制御がある。一般的な構造制御手法として、熱による相分離を利用したバルクヘテロ接合があるが、完全に内部構造を制御する事は困難である。 そこで本申請研究では、ナノサイズに制御したフラーレンナノ結晶をナノドメインとして捉え、集積・薄膜化による薄膜内部の構造制御を試みた。具体的には、再沈法により作製したフラーレンナノ結晶をナノドメインと見なし、自己組織化手法の一つである液-液界面集積法による集積・薄膜化に重点を置いた素子作製を試みた。作製した太陽電池は、逆型構造で約3%の変換効率を示した。
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