本研究では,強磁性金属である鉄を内包するカーボンナノチューブ(Fe@CNT)が優れた磁気特性を示すことに注目し,これを様々な磁気応用に供することを目的として,(1) Fe@CNTの磁気特性制御法の確立(保磁力向上),(2) Fe@CNT繊維の紡績技術確立,の二点に注目して研究を実施した。 本研究の結果,Fe@CNT合成用の触媒として大気中酸化させたNi薄膜を用いることにより,その保磁力を2.0 kOe以上に増強可能であることが明らかになった。また,平面基板上に成長させた薄膜状Fe@CNTを樹脂に包埋させることで,その磁気特性を維持したまま平面基板から剥離させたFe@CNTシートの作製に成功した。
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