研究課題/領域番号 |
25390035
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
橋本 綾子 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 表界面構造・物性ユニット, 主任研究員 (30327689)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 触媒ナノ粒子 / 透過型電子顕微鏡 / その場観察 / カーボン担持体 |
研究実績の概要 |
触媒は、昨今の環境問題やエネルギー問題を解決する一つの方法として重要性が高まり、国内外を問わず、益々、注目を集めている。中でも、白金をはじめとする貴金属触媒は、工業的重要性が非常に高い。しかし、資源として希少で高価であるため、触媒活性の向上や新規の触媒活性の発現を目指した研究・開発が盛んに行われている。そこで、本研究では、使用量を低減させるために微細化させた触媒の構造と触媒反応特性との関係を明らかにするため、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた観察および分析を行う。 昨年度は、反応中の触媒ナノ粒子の構造や挙動をより深く理解するために、ガス雰囲気で加熱ができるTEM試料ホルダーを開発した。今年度は、そのホルダーの改良を行い、ガスの導入が安定的に行えるようになった。また、白金触媒ナノ粒子の特異性を調べるため、他の触媒ナノ粒子においても、ガス雰囲気加熱TEM試料ホルダーを用いて、その場TEM観察を試みた。しかしながら、顕著なコンタミネーションが問題となり、グラフェン上の触媒ナノ粒子のTEM試料の調整を再検討する必要が生じた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
産前産後の休暇および育児休業の取得に伴い、平成27年8月より本科学研究費助成事業の補助事業を中断し、補助事業期間を来年度末まで延長したため、研究の進捗状況は予定より大幅に遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度、産前産後の休暇および育児休業の取得に伴い、本補助事業を中断したため、来年度は、今年度の研究計画を引き継ぐ予定である。 今年度、白金触媒の特異性を調べるため、開発したTEM試料ホルダーを用いて、他の触媒ナノ粒子のその場TEM観察を試みたが、コンタミネーションの問題が生じ、観察が行えなかった。そこで、今後、触媒ナノ粒子のTEM試料調整を再検討する。また、エネルギー分散型X線分光法などの分析と併用させながら、TEM観察を進める。触媒の反応過程や劣化過程を調べるため、今後も、ガス雰囲気中、高温下でのグラフェン上触媒ナノ粒子の構造および挙動を観察していく。そして、これらの結果から、触媒活性サイトやメカニズムについて考察していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
産前産後の休暇および育児休業の取得に伴い、平成27年8月より本科学研究費助成事業の補助事業を中断し、補助事業期間を来年度末まで延長したため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度、産前産後の休暇および育児休業の取得に伴い、本補助事業を中断したため、来年度に、今年度の研究計画を引き継ぐ予定である。それに合わせ、助成金の使用計画も引き継ぐ。
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