本研究では100kbpを超える長鎖DNAを対象とし、蛍光顕微鏡によるDNAの高次構造変化の単一分子観察法を活用して以下のような成果が得られた。 1.直鎖型、分岐型、さらに環状構造を有するポリアミン誘導体によって引き起こされるDNAの高次構造変化を調べたところ、DNAに対する凝縮力は、ポリアミン構造に依存して顕著に異なることが明らかとなった。 2.光励起やガンマ線及び超音波によって引き起こされるDNA二重鎖切断に対するアスコルビン酸の抑制作用を定量的に比較したところ、超音波照射による二重鎖切断は物理的せん断によるもので、アスコルビン酸のような活性酸素消去剤では抑制効果がないことが明らかとなった。
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