様々な方法でフタロシアニン重合体を合成し、その構造と磁性を調査した。ビルディングブロックに高塩素化フタロシアニン、カップリング剤にカリウムを用いるとフタロシアニン基炭素材料(PBCM)が得られた。構造解析の結果、PBCMの構造は窒素配位金属核がうめ込まれたグラファイト状炭素であった。興味深いことに鉄、コバルトPBCMは室温で自発磁化を示した。さらに塩化銅、シアノフタロシアニン、シアノベンゼンの真空加熱により環共有型フタロシアニン重合体を合成し、X線回折法によりその高秩序2次元シート構造を確認した。これらの磁性フタロシアニン重合体はスピントロニクス等への応用が期待される。
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