磁性分子マシンの動力「分子の振動と回転」の生成と遠隔操作に向けて,我々は励起スピンの緩和に関する理論的研究を行った.ここで,緩和はスピン-動力(分子の振動・回転)間相互作用Vを通して起こるとする.このVに対しては「結晶場エネルギーとスピン軌道(SO)相互作用を持つ3d軌道のスピン方向依存性」が重要な役割を担う.また,このような依存性を観測する現象として異方性磁気抵抗(AMR)効果がある.今回我々は3d軌道のスピン方向依存性とAMR効果を理論的に調べた.その結果,3d軌道の形状のスピン方向依存性とAMR比の結晶場効果について新しい知見を得ることができた.
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