電流注入型有機半導体レーザーの実現を目指して、結晶性有機半導体材料(チオフェン/フェニレン)コオリゴマー(TPCO)のダブルへテロ構造形成とそれによるEL特性向上を進める。単結晶的な有機積層膜を形成するために、無機半導体でも実績のあるスライドボート法を適用し、局所的にでも単結晶的なダブルへテロ積層構造形成可能な条件を探索する。結晶性積層膜形成条件をレーザー分光により測定・評価した結果、単層膜に比べると多少発振閾値は大きくなるが、ダブルへテロ構造積層膜においても光励起発振する結晶性有機薄膜の作製に成功した。また、注入型レーザーに必須なpn接合形成を有機半導体に対するドーピングにより行い、TPCO系有機半導体の蒸着膜での低抵抗化に成功し、20倍程度のEL素子の電流値増大に成功した。
|