100-300℃の中温領域で動作する燃料電池に応用可能なプロトン伝導体のプロトン伝導機構を統一的に理解することを目的として中性子構造解析、熱測定、31P、1H NMR測定ならびにプロトン伝導度測定を行った。研究を行ったすべての系においてリン酸や硫酸基の回転とこれに伴う水素結合の切断がプロトン伝導に重要であり、さらに、低温で分子回転の凍結が起きることを明らかにした。低温におけるプロトン伝導度などプロトンダイナミクスに関する測定がプロトン伝導の支配因子を決定するために重要であることを示し、プロトン伝導機構を統一的な視点から明らかにした。
|