研究実績の概要 |
本研究の目的は、六方晶バルク基板(GaN, SiC)や、大型鋳造Siの残留歪み定量イメージングを世界に先駆けて実現することにある。基板の高品質化には残留歪みの低減が不可欠だが、六方晶や大型基板では定量性と分布測定を両立できなかった。本研究では、ステッパー機構を備えた自己補償イメージング偏光計(SCIP)を新たに開発し、六方晶における自然複屈折と歪み誘起複屈折の分離、大型基板への対応、という2課題を解決する。 最終年度である本年度は、昨年度に構築した大口径赤外イメージング偏光計に基板搬送機構を付加することで、大型鋳造Siへ対応した。実験炉でキャスト成長された多結晶シリコンインゴットの縦断面試料(約 440×170×3mm)を分割切断なしに測定することに初めて成功した。圧縮試験用試料の提供が滞ったため、GaN, SiCの定量イメージングに関する学会発表には至らなかったが、自己補償イメージング偏光計(SCIP)の構築には成功し、六方晶バルク基板への対応は完了できた。
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