450 mm直径の無欠陥Si単結晶の実現に貢献することを目的として,これまで無視されていた熱応力が点欠陥に与える影響について第一原理計算を行った.点欠陥の形成エンタルピーと形成エントロピーを計算し,それらの結果から無欠陥条件に対応するVoronkov の臨界(v/G)値を推定したところ,現実の応力状態に近い平面圧縮応力を仮定した計算値は実験値と見事に一致し,20 MPa程度の熱圧縮応力により無欠陥Si結晶は原子空孔優勢に傾くことがわかった.さらに,450 mm直径の無欠陥Si結晶を達成する結晶育成条件を明示するとともに,熱応力効果を含む結晶成長シミュレータを開発する成果を得た.
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