• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

高配向性絶縁膜上での有機半導体分子の配向制御とその有機TFTへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 25390076
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京農工大学

研究代表者

飯村 靖文  東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10201302)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードゲート絶縁膜 / 異方性絶縁膜 / 液晶性絶縁膜 / UV重合型絶縁膜 / 有機TFT / 液晶性有機半導体
研究概要

(1)ゲート絶縁膜として,UV重合型液晶高分子膜,液晶垂直配向膜及び,液晶光配向膜の三種の絶縁膜の光学的(エリプしメータ)及び電気特性(絶縁特性,誘電率特性,誘電緩和特性,TSC特性)の検討を行っている.液晶垂直配向膜以外の絶縁膜では,TFTの絶縁膜として十分な絶縁特性が得られることがわかった.誘電緩和特性に関しては,UV重合型液晶高分子膜と液晶光配向膜に関して検討を行い,室温において遅い緩和現象(数秒のオーダ)が観測された.また誘電率には大きな異方性は観測されず,比誘電率は4程度(100Hz~100KHz)であった.さらに,UV重合型液晶高分子膜に関してはTSC測定による膜欠陥準位の評価を行い,UV重合条件時の未反応基に起因すると考えられる欠陥(ホールトラップ)準位を同定した.(電気特性に関しては論文準備中)
(2)真空蒸着による有機半導体薄膜形成材料として,ペンタセン及び液晶性を有する2,9-ジプチルペンタセンを,スピンコート法による薄膜形成材料としてC13-BTBTを用いた.液晶垂直配向膜をゲート絶縁膜として用いる場合絶縁特性は不十分であるため,High-k材料であるTa酸化膜を下地膜とした二層構造のゲート絶縁膜を用い,ペンタセン素子(MIS及びTFT)の作製を行った.垂直配向膜の表面エネルギーを制御(表面アルキル基密度の制御)することで,高移動度ペンタセンTFT(~2cm2/Vs)作製のための最適配向膜を求めた.(論文準備中)
(3)有機半導体材料として液晶性を有する2,9-ジプチルペンタセンを用い,TFT特性等の評価を行った.垂直配向膜(二層膜構造)とUV重合型液晶高分子膜の二種類の絶縁膜をゲート膜材料として用い,諸特性の比較検討を行った.その結果,比較的有機半導体分子に対して配向規制力の弱い絶縁膜(垂直配向膜)の方が,高移動度を得られることがわかった.(データ整理中)

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

実験に関しては,概ね計画通りの進展が見られたが,その解析に関しては十分な検討がまだできていない.その結果,論文発表等に遅れが生じている.また新たな問題として,有機TFTのCV特性等に生じる大きなヒステリシスの発生があり,新たな絶縁膜材料の検討が必要と考えられる.

今後の研究の推進方策

今後の方針として,当初の計画に沿って進めるが,以下の点についても検討する.
(1)液晶光配向膜に関して,有機TFTの絶縁膜としての特性の検討を行い,そのゲート絶縁膜へ適用性について検討する.
(2)現在の問題であるCV特性等に現れる大きなヒステリシスの原因解明を行うとともに,絶縁膜材料面からの検討を行いその改善を目指す.
(3)現在新たな発見として,有機半導体にC13-BTBTを用いた場合,その移動度が時間経過とともに大きな改善することが観測された.その原因の解明を解明することで,高い移動度を得るための指針を得る.
(4)プラスティック基板を用いた結果に関しては,最適な最適な材料の組み合わせ(有機半導体とゲート絶縁膜)が確立された後検討する.

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi