波長1-10nm程度の軟X線は、数10nmの高い空間分解能での元素分布イメージングへの応用が期待できる。研究代表者は軟X線顕微鏡用の高倍率対物鏡の開発の過程で、その結像特性が従来の低倍率光学系と異なることを見出した。本研究では、高倍率対物鏡の振る舞いを実験的に明らかにし、また、その結果を援用し、対物鏡の結像理論を新たに構築することを目的とし研究を行った。その結果、高倍率光学系では、像面のデフォーカス特性に非対称性が存在することが観測された。また、非対称性は、像側のフレネル数の低下で生じる固定位相項に起因し、ガウス像面の光強度分布には影響を与えないことが明らかとなった。
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