研究課題
本研究は、これまで実現できなかったテラヘルツ光における高効率・高出力光渦の発生を実現し、トポロジカル-テラフォトニクスという新領域開拓を目的としている。前年度は、テラヘルツ光だけでなく光領域(可視~近赤外)においても透明な樹脂材料(Tsurupica樹脂)を用いてテラヘルツ用高効率位相板の作成を行い単色テラヘルツ光源に応用することでテラヘルツ光渦の高効率発生に成功した。本年度は、このテラヘルツ用位相板を用いて高出力テラヘルツ光渦の発生を主目的に研究推進を図った。開発したテラヘルツ用位相板を、パルス面傾斜励起によるLiNbO3結晶を用いた高出力テラヘルツ光源に適用した。位相板に用いているTsurupica樹脂はテラヘルツ領域において屈折率周波数分散が非常に小さくほぼ一定であることから、広帯域テラヘルツ光源に対しても本位相板が十分に応用できることをモード解析シミュレーションおよび実験の両面から実証した。得られた高出力テラヘルツ光渦は平均出力2mWを超えており、位相特異点に由来する光渦の特徴であるドーナツ型の強度分布もテラヘルツカメラを用いて確認した。高出力テラヘルツ光渦発生に成功したことから、テラヘルツ光渦を用いた非線形現象へと応用することでテラヘルツ領域における超高解像顕微鏡への開発が大きく期待できる。
すべて 2015
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