研究課題
本研究では、面発光型半導体レーザ(VCSEL: Vertical Cavity Surface Emitting Laser)の広帯域周波数雑音特性をFabry-Perot型半導体レーザの雑音特性と比較しながら解析し、半導体レーザの持つ高速で大きな周波数雑音特性を用いた物理乱数の高速生成とその応用について研究を進めた。その結果、VCSELはFabry-Perot型半導体レーザより、高周波数領域まで広がっている周波数雑音特性を持っているため、物理乱数のより高速生成が可能となることが分かった。Fabry-Perot型半導体レーザは凡そ2GHz程度まで広がっている周波数雑音特性を持つのに対し、VCSELは20GHz程度まで広がった周波数雑音特性を持つためである。また、この特性はVCSELを含む半導体レーザ固有の特性であり、半導体レーザでは狭いスペクトル幅の発振モードの出力光が、高速に動き回っているからと考えられる。本研究では、この特性を利用した超高速物理乱数の生成の実験的を行い、Fabry-Perot型半導体レーザでは77Gbit/s、VCSELを用いて120Gbit/sの物理乱数生成速度を実現した。さらに、この乱数生成法を利用した「簡単で測定精度の高いレーザ光距離計測法」を考案し、その測定精度の改善を行い、10GS/sのサンプリング速度で、0.5mmの分解能を達成した。
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International Journal of Modern Physics and Applications
巻: 2 ページ: 1-6