研究課題/領域番号 |
25390109
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
清水 一男 静岡大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (90282681)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | GaN / マイクロプラズマ |
研究概要 |
GaNは3.45eVと広いバンドギャップを持っているなど、Si系系半導体と比較して優れた特性を有している。現在では、青色発光ダイオードや青紫色半導体レーザといった発光デバイスに実用化されている。また、半導体をプラズマ処理することで、GaNの発光強度が増加したという報告も存在する。本研究では大気圧マイクロプラズマを用いてプラズマによって生成されたラジカルや励起種を用いて表面改質を行うリモート表面改質によりGaNの表面改質を行った。 本研究では、低電圧下で大気圧マイクロプラズマを発生させ、GaNの表面改質を実験的に検討した。実験によりGaNを形成しているN-Gaの結合がマイクロプラズマ処理前後のサンプルの両者で確認された。処理を行う際に大気に暴露されていたため、若干の窒素酸化物(N-O)も確認された。マイクロプラズマ処理後では、処理前と比較して信号強度の増加が確認された。これはN2およびH2O等との反応が起こったものと考えられる。またGaN表面のプラズマ処理において酸化種等を含む環境下ではGaN表面からの窒素離脱を促進する効果があると考えられているが、N 1sピークの増加はArプラズマにより発生した環境空気由来の活性種の影響によるものだと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
GaN表面へのプラズマ照射では駆動ガスによりエッチングや表面ダングリングボンドの生成がかなり起こることが観測されている。今回の研究では転移低減を目指して、GaN表面を再成長に適した条件にする事が必要であるが、マイクロプラズマ表面処理を行い、その表面分析を行ったところ、N-Ga結合が確認された。これは今後、GaN薄膜の大面積化につながる可能性を有しているものと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
GaNの成長をアシストするためマスクを使用したパターン上での再成長を確認したい。また再成長前の表面画像を観察することで、表面上の不純物の有無などを確認し、それらとマイクロプラズマ照射パワー、時間などによる依存性を定量的に判断したい。
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