酸素プラズマ中の活性酸素を植物種子に照射することにより,成長した植物の抗酸化活性の向上と成長促進効果が得られることが明らかとなった.大気圧バリア放電酸素プラズマ中で60分間程度処理を行った植物種子を栽培した結果,約1.6倍程度成長が加速することが分かった.シロイヌナズナ種子の遺伝子発現解析を行ったところ,活性酸素により光合成に関係する酵素が活性化した結果,炭素固定プロセスからTCA回路に至るまでの一連の反応が促進しており,その結果成長が促進されることが明らかとなった.同時に,抗酸化遺伝子の発現により種子内で抗酸化物質が産生されることが分かった.本成長促進効果は次世代には継承されなかった.
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