研究課題/領域番号 |
25390129
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
若林 源一郎 近畿大学, 原子力研究所, 准教授 (90311852)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 組織等価ファントム熱ルミネセンス線量計 / 重粒子線 / フラグメント粒子 / 中性子 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、昨年度に引き続き実験体系のシミュレーション計算と検出器システムの整備及びテストを行った。シミュレーション計算は、放射線医学総合研究所の医療用重粒子線加速器HIMACからの炭素ビーム(290 MeV/u)を標的(タフウォーターファントム及び組織等価ファントム熱ルミネセンス線量計)に入射する体系とし、今年度は特に核反応により生成する中性子に着目し、検出器設置位置におけるフルエンスを計算した。 さらに、標準線源を用いた検出器のテストを継続的に行ったほか、放射線医学総合研究所においてHIMACからのビームを用いたテスト実験を行った。実験は、タフウォーターファントムを標的とし、標的中で核反応により生成する様々なフラグメント粒子が無機シンチレータ及び光電子増倍管から成る測定システムに与える影響を調べるとともに、無機シンチレータの放射化を利用して検出器設置位置における中性子束の評価を行った。実験の結果、ビーム軸上に検出器システムを設置した場合、無機シンチレータ、光電子増倍管ともに放射化によって生成された様々な核種が確認され、特に光電子増倍管の出力が不安定化することにより測定の障害となることが分かった。またビーム軸から離れた位置に検出器システムを設置した場合、中性子束に関しては無機シンチレータの放射化を利用する方法が有効であることが確認できた。 以上のシミュレーション計算及び実験の結果は、国内学会や国際ワークショップで報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度は、前年度に引き続き実験体系のシミュレーション計算と検出器システムの整備を行なうとともに、放射線医学総合研究所の重粒子線加速器HIMACからのビームを用いたテスト実験を行った。テスト実験では無機シンチレータと光電子増倍管からなる検出器システムのテストと、核反応により生成する中性子線の測定実験を兼ねて実施したが、研究計画全体に大きな影響はない。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、前年度までの成果をもとにして、必要に応じて検出器システムの整備・改良を行なう。また、組織等価ファントム熱ルミネセンス線量計を標的としたビーム実験を実施するため、必要なシミュレーション計算を引き続き行うとともに、最終的には放射線医学総合研究所の重粒子線加速器HIMACからのビームを利用した実験を行うため、必要な手続き等を含めた準備を進める。
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