研究課題
平成28年度は、前年度までに実施した実験体系のシミュレーション計算や、放射線医学総合研究所の医療用重粒子線加速器HIMACを用いたテスト実験の結果を総合し、検出器システムの整備及びテストを進めた。HIMACを用いたビーム実験によって得られた二次中性子による検出器の放射化に関する知見を考慮して、シミュレーションコードPHITSを用いた計算を行い、効率的な実験体系の検討を行った。さらに、標準線源等を用いた検出器システムのテスト実験を継続的に行った。最終年度である平成28年度は、組織等価ファントム熱ルミネセンス線量計を標的としたビーム実験を行ない、系統的なフラグメント粒子測定を行う予定であったが、スケジュールの関係でマシンタイムを確保することが出来なかった。したがって、当初本事業で最終的な目的としていた、組織等価ファントム熱ルミネセンス線量計による線量評価値にフラグメント粒子が与える影響については実測値をベースに検討を行うまでには至ることができなかった。しかしながら、ビーム実験の結果に基づいて、実験を実施するために必要な検出器システムの整備や、標的となる組織等価ファントム熱ルミネセンス線量計の作成は完了することができた。また、PHITSを用いたシミュレーション計算による生成フラグメント成分の評価等は行うことができた。今後、本事業で構築した検出器システムを維持し、早期にビーム実験を行いたい。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)
Journal of Nuclear Science and Technology
巻: 53 ページ: 2028-2033
10.1080/00223131.2016.1181010
平成27年度放射線医学総合研究所重粒子線がん治療装置等共同利用研究報告書
巻: NIRS-M-289 ページ: 234-235