銅よりも大きな電子移動度,高い熱伝導率,高い表面強度といった優れた特徴を持つグラフェンに注目し、粒子加速器用高周波空洞の表面材料としての適用について研究をおこなった。高周波空洞成膜用の熱CVD炉を製作し、超精密旋盤で表面を加工した無酸素銅空洞の表面に熱CVD法を用いてグラフェンを成膜することにより、グラフェンの高周波空洞の製作を試みた。無酸素銅薄膜上にグラフェンを成膜できることが確認され、同じプロセス条件で無酸素銅空洞上へのグラフェンの熱CVDによる成膜を試みた。空洞の銅表面に炭素膜が成膜されたことは確認できたが、ラマン分光ではグラフェンの成膜を確認することはできなかった。
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