• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

Sinc数値計算法を超える高精度数値計算法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 25390146
研究種目

基盤研究(C)

研究機関青山学院大学

研究代表者

杉原 正顯  青山学院大学, 理工学部, 教授 (80154483)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード関数近似 / 最適近似式 / Sinc関数近似 / 丸め誤差 / 安定性
研究概要

Sinc関数近似が有効となる関数空間(Eye-shaped 領域上のHardy空間)における最適近似公式に関して以下の基礎的研究を行った:
(1) 公式の最適性の証明は,一般化されたGaneliusの不等式に基づくもので,複雑で見通しの悪いものであった.そこで,一般化されたGaneliusの不等式を有限区間を無限区間に変換する変数変換によって見やすい形にし,その証明を比較的見通しの良いものとした.(2) 一般化されたGaneliusの不等式の評価式は,標本点数が非常に大きい場合に対する評価であり,原点付近の標本点の配置に関しては自由度がある.この自由度の影響を比較的標本点が少ない場合に数値的に調べた.様々な配置を調べたが誤差に大きな影響はないという結果を得た.ただ,実際の関数に最適近似公式を適用した場合の誤差の振る舞いは,原点付近の標本点の取り方に大きく依存するという数値実験結果も,(かなり)以前に報告されており,この不整合を理解する必要がある.
(3) 最適近似公式においては,近似式(基底)が複雑な式であり,基底を計算する上での丸め誤差の影響が問題となる.(Sinc関数近似の場合,基底が単純な形であるため一重指数関数型変数変換を用いる前提では基底の計算に含まれる丸め誤差の影響は問題にはならなたった).そこで,様々な計算精度で,近似式を計算し,丸め誤差の影響を数値的に調べた.被近似関数による差があるものの,標本点数に関して指数関数的に精度が失われることが観測された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

「研究実績の概要」の(1)一般化されたGaneliusの不等式を有限区間を無限区間に変換する変数変換によって見やすい形にし,その証明を比較的見通しの良いものとした,に思いのほか時間をとられ,その他の研究へ時間を割くことができなかった.

今後の研究の推進方策

当初の計画にしたがって(少し遅れているが),Sinc関数近似が有効となる関数空間(Eye-shaped 領域上のHardy空間)における最適近似公式の研究から, DE-Sinc数値計算法の誤差が指数関数的に減少する関数空間における誤差の下界に関する研究へと進む.また,丸め誤差の影響に関しては,まだ,安定性の目安となる近似式のLebesgue定数の評価を行っていないので,その数値的評価を行う.

次年度の研究費の使用計画

海外への出張を予定していたが,用務の都合で出張ができず,差額を生じた.
次年度の成果発表(口頭発表や論文投稿に係る経費)に充当する.

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi