研究課題
複素平面上の実軸に関して対称な帯状領域上で正則で,減衰度が指定された関数族---とくに,この関数族は,減衰度が1重指数関数型減衰の場合,SE-Sinc近似が有効となる関数族であり,減衰度が2重指数関数型減衰の場合,DE-Sinc近似が有効となる関数族である----に対する最適関数近似式,および最適数値積分公式について,田中健一郎氏(武蔵野大学,現東京大学),岡山友昭氏(広島市立大学),杉田幸亮氏(青山学院大学)とともに,つぎの研究を行った.[1] 減衰度が1重指数関数型減衰の場合,Ganeliusによって与えられた標本点を用いた最適近似公式として,以前指摘したように2種類の公式(2003年に杉原が与えたもの,本研究で得られた鵜島-杉原によるものの拡張版)がある.本年度は,2つの公式を数値的に比較し,前者が一般に高精度であることを明らかにした.ただし,その理由に関しては,丸め誤差の影響等,様々な角度から調べたが,よく分からない状況である.[2] 本研究で考えている関数族に対する最適関数近似公式の特徴づけはすでに論文(Sugihara: Math. Comp. 72 (2003), 767-786)で与えられているが,我々は,最適数値積分公式に対してその特徴づけを与え,最適数値積分公式を求めることは,近似的にではあるが,最適関数近似のときと同様に,ある種のポテンシャルを求める問題として定式化されることを明らかにした.そして,数値計算によって,減衰度が1重指数関数型減衰の場合,2重指数関数型減衰の場合に,最適数値積分公式に近い公式を得た.その結果,2重指数関数型減衰の場合,DE積分公式より精度の良い積分公式を得た.
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日本応用数理学会論文誌
巻: 27 ページ: 1--20
Approximation Theory XV, San Antonio, 2016
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