本研究課題では、力学的に柔軟な構造と剛性を有する構造を積層させた「柔剛混在型」複合材料について、植物模倣科学ならびにナノ構造物性科学の両観点からその数理設計と物性推算と行った。植物模倣科学のテーマにおいては、自然由来の柔剛混在型複合材料である「竹」を主な考察対象として、その機能美を模倣した傾斜機能型・強化シェル材料の最適デザイン理論を展開した。またナノ構造物性のテーマにおいては、sp2型のナノ炭素材料(炭素ナノコイル・炭素ナノチューブ等)について、弱い分子間力と強い共有結合の複合化に起因する特異な弾塑性変形モードの解明ならびにその変形過程が誘発する新規な形態由来量子機能の探索を行った。
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