研究課題/領域番号 |
25390148
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
永井 学志 岐阜大学, 工学部, 准教授 (90334359)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ボクセルFEM / 超並列化 |
研究概要 |
本研究は,モノづくりための設計や事故時の原因究明において欠かせないコンピュータシミュレーションを,「京スパコン」に代表される超並列計算機を用いることで,数十から数千倍に高速化しようとするものです.1つの計算に数週間を要していたものが数時間でできるとなると,さまざまな可能性が広がるはずです.なお,この高速化においては,汎用的な解決法でなく敢えてその一部を切り捨てることで,ある種の解法に特化しようと考えています. 固体系のシミュレーション ― 本研究では,エンジンブロックのような複雑形状の産業部品や,発泡金属やCFRPのような複合材料微細構造の力学的応答計算 ― では,有限要素法なる手法が最も有用とされています.通常であれば計算領域内を細かくメッシングするには数十年来,一般の三角や四角形状が適しているとされてきました.しかし,本研究ではメッシングを敢えて立方体,すなわち3-Dデジタル画像に限定することにより,これまでのメッシングでは少し難しかった超並列計算のロードバランス平滑化を達成しようとしています. このような目的を踏まえて,初年度はFujistu FX-10スパコンにて,1500強のCPUコア数にて単純形状であれば百数%のスーパーリニアな高速化を達成しています(100%が理想的な高速化).なお,一般の複雑な形状においても,CPUコア数に対して95%程度の高速化ができています.単一CPUコアの場合には不要であったCPUコア間の通信 ― 余計な処理 ― が新たに発生するため,これを如何に上手く隠ぺいするかが高速化の要となります.初年度は最低限のノルマ達成ができたと自負しております.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現状では,当初の申請書で述べた第一段階 ― 線形の陽的波動伝播解析 ― のみをクリアしたに過ぎません.たかが1500強のCPUコア数,線形弾性体ならば,その数桁大きいコア数で性能を出す必要があります.
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今後の研究の推進方策 |
本年度,二年目は使用コア数の更なる増加のみならず,弾塑性型の非線形計算にチャレンジできればと思っています.加えて,ボクセルFEMのギザギザ問題の解決も考えていくべき事柄です.
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次年度の研究費の使用計画 |
コード開発が少し遅れているため,最新計算機の導入を遅らせました. 本年度に計算機を購入予定です.
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