研究課題/領域番号 |
25390148
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
永井 学志 岐阜大学, 工学部, 准教授 (90334359)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 超並列化 / デジタル画像処理 / ボクセル / FEM / MPI / Open-MP |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,超並列計算機を対象とした材料非線形ボクセルFEM解法の開発である.a) そのため昨年度は,並列化のためにまずはMPI通信を組み込んだ弾性体ボクセルFEMコードの開発と,名古屋大学のFujitsu FX10スーパーコンピュータ上にて1500コアでの性能確認を終えている.本年度はこの結果を踏まえて,より超並列化を目指すために,MPI通信に加えてOpen-MP並列のハイブリッド並列化を実施した.具体的にはマルチカラー処理のアルゴリズムを追加した.しかし,同スーパーコンピュータで同コア数にて性能確認をしたところ,MPI通信のみの場合に比べて並列化性能が1/7倍ほどに劣化した.Intel系のハードウェアとコンパイラではこのような並列性能の著しい劣化はみられなかったこと(数割程度の劣化)から,コンパイラ特有の問題も考えうる. b) ボクセルFEMに特有の,領域を階段状に近似する問題に対して,山田・長嶋らが提案した数値積分法の実装を終えた.本数値積分手法はFEM要素内に幾何形状が横切る場合の巧みな処理法であり,ある程度の高精度を保ちつつも,反復計算において計算量が少なくなるという長所をもった手法である.本手法は各ボクセル有限要素において計算量が均一となるという点でも,本研究の超並列計算に適したものである.なお,浅井らの提案した非局所化処理(数値実験的に有用性が実証された,ひずみの要素間を跨いだ平滑化 ― 画像処理でいうガウシアンフィルタ的な処理)のアルゴリズムについてもいくつか検討したが,大量の空隙を認めるボクセルFEM解析の超並列化とは,メモリ上の観点から相容れないことを確認した. c) この非局所化処理に付随して,GPU上にて,付随的にボクセルFEMにおいて素朴な幾何学的マルチグリッドを適用したが,収束性は改善できないことを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
a) 本来であれば,MPI通信とOpen-MP並列化というハイブリッド並列化で,より超並列化をした際に,MPI通信のみよりも性能が出せる予定であった.この原因究明に手間取って,当初の予定を達成できなかった. b) 山田・長嶋らの数値積分手法の実装は完成したが,それをボクセルFEMに組み込み,離散化性能を確認するところまでは達しなかった.
申請当初の予定に少し無理があったこと,また学内業務の見通しが甘くそちらに注力せざるを得なかったことが悔やまれる.
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今後の研究の推進方策 |
a) MPI通信とOpen-MP並列化というハイブリッド並列化が,Fujitsu FX10で性能が出なかった理由をプロファイラでさらに詳細に検討する.コンパイラの問題であれば深入りせず,intel系のみを対象とする. b) 山田・長嶋らの数値積分法は,開発中の超並列コードでなくシンプルな逐次実行FEMコードに組み込み,離散化性能の検証を早く行う.
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