研究課題/領域番号 |
25390148
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
永井 学志 岐阜大学, 工学部, 准教授 (90334359)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 超並列計算 / HPC / 応力解析 / voxel FEM |
研究実績の概要 |
ボクセルFEMには,CT画像などの3次元画像を基に,画素点からすぐに要素分割できるという長所がある.しかし,境界面が階段状に近似されることにより,境界付近に不合理な応力が発生し,かつ曲げに対する解析精度も低いという短所がある.前者については,弾塑性や損傷計算において問題となる.後者について例えば,はりのたわみは,その高さの3乗に逆比例するが,はり高さを要素長さの倍数にしかとれないため,その予測精度は著しく低くなる. そこで,H27年度の研究では,要素内に領域を定義すること,具体的には境界面の近似と数値積分を工夫することにより,ボクセルFEMの精度改良を図り,特に片持ちはりの曲げを例にその性能評価を行った.なお,この評価は反復求解で頻出の可能性があるが,要素あたりの計算量は一定であるため,複数の要素を効率よく超並列で処理できるものである. メッシュサイズを小さくしていったときの数値解の収束性から,本手法に基づくボクセルFEMの性能を評価した.従来のボクセルFEMでは,はり高さが結果として2要素となる場合に最大200%の差が生じるが,本手法では約10%の差であった.また,はり高さが4要素の場合には3%の差に収まった.なお,境界付近に不合理な応力が発生しないことも確認した. 以上より,本手法に基づくボクセルFEMでは,曲げが支配的な領域でも厚さ方向に最低限2要素,理想的には4要素程度に分割すれば十分といえる結果を得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
学内の仕事(教務)が入ったこともあり,手法検討と超並列プログラミングに割く時間をあまりとることができず,当初の計画より最終年度を一年間延長することとした.
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今後の研究の推進方策 |
H27年度にやり残した分を含めて,H28年度では,この境界面の数値積分法とvoxel FEMの超並列計算を1つのコードにまとめて,構造解析全体での性能評価を実施する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画に遅れが発生したため.その研究計画にしたがい,繰り越しが発生した.
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次年度使用額の使用計画 |
計算機使用料や計算機の購入などに使う
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