研究課題/領域番号 |
25400002
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
脇 克志 山形大学, 理学部, 教授 (30250591)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | モジュラー表現論 / 散在型有限単純群 |
研究実績の概要 |
計算機を用いた標数3での1333次既約表現の構成のため、必要となるJ4の2つの極大部分群の計算機による具体的な構成が完了した。2元体K=GF(2)上の10次直交群が10次元ベクトル空間Wの極大な全特異部分空間U5を固定する固定部分群をH0とする。部分空間U5は5次元であり、Uの4次元部分空間U4を固定する固定部分群H1に対して、H01=H0∩H1とする。代数構造解析システムGAPによるH0, H01の構成の後、H01の位数2の特別な自己同型写像t1を使った半直積により、群H01の拡大群G1が構成する。このとき、H0, G1は、J4の部分群となる。8月の有限群草津セミナーでは、H0及びH01の具体的な構成方法と特別な自己同型写像t1の持つ性質をまとめて、発表した。また、研究者との研究打合せを通して、具体的な自己同型写像t1の構成方法に関する有用な情報を得た。3月の日本数学会において、計算機による具体的な自己同型写像t1とt1による拡大群G1の構成を発表した。本研究の最大の目的の1つである1333次既約表現の構成において、標数3の体として、GF(9)を必要としていたが、数学会での埼玉大学の飛田明彦氏との研究打合せの中で、より小さい素体GF(3)での表現構成の可能性が見出された。計算機による既約表現の解析において、表現を定義する体がGF(9)からGF(3)に変更出来ると、より高速な計算処理が可能となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1333次既約表現の構成に向けて順調に、進んでいる。ただし定義体をGF(9)からGF(3)に変更可能となる示唆があり、今後の計算処理のため、計画には含まれていないGF(3)での表現構成も試みたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今年12月に開催予定の「代数学と計算」(ac2015)に向けて、定義体をGF(3)にした表現構成の可能性を追求して、今後のモジュラー表現構成を加速させたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
6月に予定されていたミュラー氏の来日が中止となり、研究集会が開かれなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
12月に予定されているac2015にて、有力な研究者を招待する。
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