研究概要 |
今井の定理を一般化し、その岩澤理論への応用を与えた。混標数(0,p)の局所体K上の潜在的に良い還元を持つアーベル多様体Aについて、Kのある種の無限次拡大体M上のモーデル-ヴェイユ群の捻じれ部分が有限である事を証明し、論文として出版した(より一般に、固有かつ滑らかな代数多様体のエタールコホモロジー群について同様の結果が示せる)。これは今井秀雄氏による古典的な定理の一般化になっており、岩澤理論に応用がある。 ガロア表現の合同について以下の様な研究を行った:代数体の二つの「幾何的な」l進ガロア表現がmodlで合同なときそれらは局所的には元々同型か、という問題を研究し、適当な条件の下、この種の命題を証明した。これはRasmussen-Tamagawa予想に応用がある。主定理の一つは次の通り:K,Eを有限次代数体とし、u,vをKの有限素点、λをEの有限素点、b,eを正整数とする。uとλの剰余標数はともにlであり、vの剰余標数はlと異なるとする。Kの絶対ガロア群G_Kのn次元E線型表現Vであって次の条件を満たすものの集合を考える:(1)Vはvで半安定、かつE整、(2)V はK_uの或る有限次拡大であって絶対分岐指数がeを割るもの上半安定になり、(3)VのuでのHodge-Tate重みは区間[0,b]に含まれる,(4)Vは「G型」(幾何学的)。このとき、十分大きい任意の素数lと上の条件を満たす二つのガロア表現V,V'に対し、V,V'がu及びvに於いてmodλで合同ならばそれらはvに於いて元々同型である。
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