研究課題/領域番号 |
25400024
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
青木 宏樹 東京理科大学, 理工学部, 准教授 (10333189)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ヤコビ形式 / 保型形式 |
研究概要 |
本研究課題の研究計画に基き、多変数保型形式および、それに付随するヤコビ形式の研究を行った。平成25年度は、実施計画のとおり、特に特に次数2のジーゲル保型形式をテーマに研究を行った。 具体的な研究成果は、次のようなものである。(1)ジーゲルパラモジュラー形式の構造に関する結果(2013年6月、上越教育大学での研究集会でにて発表)(2)分数重みのヤコビ形式の構造に関する結果(2013年10月、九州大学での研究集会にて発表、また、2014年3月、中国上海の同済大学での研究集会にて発表)(3)ベクトル値ジーゲル保型形式の構造に関する結果(2014年3月、早稲田大学での研究集会にて発表) これらの発表を行った研究集会は、いずれも外国人研究者の参加する国際的なものであり、いずれの研究集会においても、研究代表者は、同分野・隣接分野の研究者と有意義な研究討論を行うことができた。 ヤコビ形式は、多変数の保型形式を研究するうえで、非常に有効なツールである。実際、ヤコビ形式は、さまざまな保型形式に対して、そのフーリエ・ヤコビ展開の係数としてあらわれる。したがって、ヤコビ形式を調べれば、保型形式についての有用な情報が得られると期待できる。そしてこの場合、もとの保型形式よりヤコビ形式のほうが変数が少なくなっているので、いろいろと調べやすい。先に述べた研究成果は、いずれも、このプランにしたがって、保型形式の性質を調べ、新しい知見を得たものである。 なお、現在、研究成果の(1)については論文投稿中、(2)については論文作成中、(3)については報告集として原稿を作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度には、いくつかの研究成果が得られ、それらを研究集会で発表することができた。したがって、3年という研究期間のなかの初年度としては、研究はおおむね順調に進んでいると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
申請時の研究計画にもとづき、今後、初年度の研究成果をより発展させていきたいと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費については論文作成および研究発表に使用するコンピュータの購入費が予想より安くすんだこと、旅費については授業等のスケジュールで出張期間を予定より短くせざるをえなかったことなどが原因と考えている。 平成26年度には、本研究課題であるヤコビ形式をテーマとした研究集会が11月に予定されている。平成26年度の使用計画はおおむね平成25年度と同じであるが、平成25年度の未使用額については、この研究集会に外国人専門家を招聘することに充てて、本研究課題の遂行に役立てたいと考えている。
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