研究実績の概要 |
目的1の「楕円曲線 C_m:x^3+y^3=m(m:3乗因子をもたない正整数)の Mordell-Weil 群や整数点を調べる」について,rank C_m(Q)=1,2 の場合にそれぞれ整数点を決定することができ,それらの結果をまとめた論文が Acta Arithmetica から出版された. 目的3の「ディオファンタスの 2 組のディオファンタスの 5 組への拡張可能性を調べる」について,b<3*a を満たすディオファンタスの 2 組 {a,b} はディオファンタスの 5 組に拡張できないことが証明でき,それを主定理とする論文が Glasnik Matematicki から出版された.また,この結果を拡張し,a と b の最大公約数を g とするとき,b<3*g*a を満たすディオファンタスの 2 組はディオファンタスの 5 組に拡張できないことが証明され,それを含む論文が Publicationes Mathematicae Debrecen から出版された. 以上が最終年度の研究成果であるが,研究期間全体では,上記に加え,目的2の「合成数 N に伴う楕円曲線 E:y^2=x^3-N^2*x の Mordell-Weil 群や整数点を調べる」について, rank E(Q)=2,3 となるような N の無限族を与え,それらの場合に Mordell-Weil 群の生成元を完全に決定することができた.その論文は Journal of the Ramanujan Mathematical Society から出版された. さらに,目的3について,a<b<a+4*sqrt(a) を満たすディオファンタスの 2 組 {a,b} はディオファンタスの 5 組に拡張できないことを証明した論文が Journal of Number Theory より出版された.
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