研究実績の概要 |
有限次代数体のZ_p拡大体K上の最大不分岐pro-p-拡大L/KのGalois群G(K)は非可換自由pro p-群にならないであろうという予想(C)に関して,以下のような研究成果を得た: 定理 Kを虚2次体k上の円分的Z_2拡大体とするとき,予想(C)は少なくとも以下の場合以外には正しい: k=Q(√-pq), p,qは素数,p≡5 (mod 8), q≡7 (mod 16),(p/q)=1(平方剰余記号).であって,(A) kに対応する岩澤多項式f(T)の零点α,βについて(1+α)(1+β)=1が成立.(B) Q(√-q)のZ_2-拡大体の有限次中間体の単数はすべてp上の素点を法として平方剰余,をみたす. (A),(B)を満たすようなkは存在したとしても極めて稀であり,その実例は一つも知られていない.今後はこの例外の場合においても,G(K)が自由pro-p 群にならないことを証明することが研究目標として鮮明になった.
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