研究課題/領域番号 |
25400038
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
高橋 亮 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 准教授 (40447719)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 加群圏 / 導来圏 / 特異圏 / 分解部分圏 / Cohen-Macaulay加群 / thick部分圏 / Cohen-Macaulay環 / Gorenstein環 |
研究概要 |
当該研究者は可換環論の表現論的側面を研究している。すなわち、可換Noether環上の有限生成加群全体のなす圏(以下、加群圏)の構造、およびそれの有界導来圏(以下、導来圏)やBuchweitz, Orlovが導入したsingularity category(以下、特異圏)といった三角圏の構造を解析している。より具体的には、全反射加群に関する研究を経て獲得した数多くの知見をもとに、加群圏の分解部分圏および導来圏・特異圏のthick部分圏の分類研究を行っている。部分圏の分類問題は、環論、代数幾何学、安定ホモトピー論、モジュラー表現論が共有する問題であり、Bondal-Van den Bergh, RouquierおよびDaoと当該研究者が導入した三角圏・Abel圏の部分圏の次元の概念が密接に関わる。本研究では、分解部分圏およびthick部分圏の完全分類を目指すとともに、それらの次元に関する研究を推し進めていく。 平成25年度は以下の成果を得た。 ① 与えられた加群に対し、ある元の列に関するKoszulホモロジーを取り、それから元の加群を再構成する方法を見出し、加群圏・導来圏・特異圏の生成に応用した。 ② 加群圏の部分圏の半径という不変量を導入し、その有限性を環の特異点としての性質に関連付けた。 ③ グレード一致関数という素イデアルスペクトラム上の自然数値関数を導入し、分解部分圏の分類に応用した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要欄で述べた成果①および②により加群圏・導来圏・特異圏の次元の有限性に関する情報が、③により分解部分圏・thick部分圏の分類に関する新たな知見が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は加群圏・導来圏・特異圏の構造についてさらに考察を深めていく。より具体的には、コホモロジー(Ext関手)の零化イデアルおよび加群圏の部分圏のFrobenius構造を調べる。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究課題に大きくかかわる外国出張および国内出張が平成26年度に複数件入ることが平成25年度中に判明した。 前述の外国出張および国内出張の旅費として計上する。
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