良い不変性・対称性を持つ数学的対象として行列式と調和振動子を取り上げ,それらをパラメタによって変形したものを研究した.行列式のパラメタ変形を利用して行列式に近い相対不変式を作ることができ,それを利用した群行列式の拡張,対称群上の帯球関数や指標値に対する公式,ラテン方陣に関するAlon-Tarsi予想への応用などを与えた.調和振動子のパラメタ変形について,そのスペクトルゼータ関数の整数点での値から現れる関数はモジュラー形式に近い変換則を満たすが,そのような関数を含む枠組みの定式化,およびその性質の研究を行った.
|