研究課題/領域番号 |
25400045
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
小林 正典 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (60234845)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | トロピカル幾何 / 代数幾何 / 制御工学 / トポロジー |
研究実績の概要 |
本研究に於いては,背景となる発想をミラー対称性から得て,超離散化と導来圏に関わる数学を,基礎と応用の両面から研究している.平成27年度は特に以下のような活動を行った. (1)首都大学東京において不定期のセミナーを行い,超離散化の基礎的結果およびその工程計画問題への応用を研究した.クリティカルパスの変化がトロピカル超曲面で起こることからクリティカルパスの遷移を幾何的に表し可視化する方法をさらに発展させ,最短完了時間のNewton多面体の退化の様子から,ネットワークの構造がわかることを共同研究で示した.この内容は例えば,9月25日から26日まで名古屋で行われた離散事象システム研究会で小田切が発表し,12月24日に青山学院大学で行われたトロピカル幾何の研究集会で小林が発表した.(2)9月24日から28日まで東京大学玉原国際セミナーハウスにおいて,代数力学系をテーマとした勉強会を共催した.博士課程後期の大学院生1名を書類整理のため引率した.(3)3月7日より11日まで京都大学理学研究科で行われたトロピカル幾何の国際研究集会に小田切とともに出張し,最新の情報収集にあたった.また12月5日から6日まで奈良女子大学で行われた岡シンポジウムで情報収集を行った.10月の豊岡市の研究会には別予算で参加した.(4)ポスドクとして特異点論を専門とするCristina Valleを5月から3月まで雇用した.当初の予算で不足する金額は前年度分に由来するものを用いた.なお共同研究の中でクラスターを見つけるプログラム・クロス構造を見つけるアルゴリズム等を作成した.(5)資料収集として最新の書籍を購入した.継続して執筆活動を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度の研究実施計画には(1)から(5)まで4項目を特に記載した. 研究実績の概要に対応して述べたように,概ね予定通り達成したため.
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度においては,前年度に継続して特に次のような活動を行うことを予定している. (1)共同研究.連携研究者との共同研究を推進するためセミナーを行う.超離散化の基礎的結果およびその工程計画問題等への応用を広く研究する.この成果は数学のみならず工学系の学会においても研究発表を行い,関連する研究者と学術交流を行う.(2)勉強会の開催.東京大学玉原国際セミナーハウスにおいて,代数幾何の最新の話題に関する勉強会を7月末から8月上旬にかけて共催する.(3)出張.代数幾何,特にK3曲面・特異点・トロピカル幾何・導来圏に関する情報収集と研究打合せを行う.10月に兵庫県豊岡市で行われる予定の城崎代数幾何シンポジウムに参加する.(4)資料収集.随時最新の資料を参照するため,電子化されたものが本学で入手できないものを中心に,書籍・資料等を備える.また電子端末を更新する.
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次年度使用額が生じた理由 |
人件費に保険料がかかったことと3月の予定が流動的であったため,出張旅費のための残額が中途半端になり,急遽私費で出張を行ったため.
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次年度使用額の使用計画 |
出張と共同研究の計画があり,順当に使用される予定である.
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