研究実績の概要 |
トロピカル曲線に対するリーマン・ロッホの定理が近年確立されたので,コンパクトリーマン面と類似の諸性質を追求し,特に種数の小さな曲線に対する知見を得た.この結果は指導した大学院生との共同論文として執筆中である.また,最短完了時間のトロピカル多項式関数としての性質から元のネットワークの位相的な構造を知るという工程計画問題への応用の論文も執筆中である. また実平面曲線・曲面の特異点の爆発同値に関する基本的結果を論文にまとめた(On blow-analytic equivalence of plane curves, Saitama J. Math. Vol. 31 (2017), 1--11).この論文はこの研究費を用いた研究打合せが関わっているが本年度の研究費を用いた成果ではないため論文一覧には載せていない. 研究集会「代数幾何学サマースクール2016」を,「Fano多様体の有理性問題と双有理幾何学」をテーマとして,7月30日から8月3日まで共催した.10月17日から21日まで開催した城崎代数幾何学シンポジウムの世話人を共同で務めた.3月には広島大学と秋田工業高等専門学校において,トロピカル曲線の研究の最近の進展についての報告を招待講演として行った.秋田では指導する博士後期課程大学院生の伊藤氏が情報収集補助を行った.3月16日・17日に島根大学で行われた離散事象システム研究会(システム数理と応用研究会と共催)に出席し,情報収集と研究打合せを行った.研究連絡には購入した新しいiPadが非常に有効であった.
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