3次元代数多様体上の曲線の変形障害について中間曲面を用いて研究した。曲線の1位無限小変形に対し、その第1障害が消えないための十分条件を与えた向井と那須による結果を精密化し、適用範囲を広げることに成功した。特に3次元多様体が非特異Fanoであり、曲面がK3の場合に、曲線が変形障害を受ける(あるいは受けない)ための十分条件を、K3上の(-2)-有理曲線と楕円曲線を用いて与えた。応用として3次元4次超曲面上の曲線のヒルベルトスキームが、生成的に被約でない既約成分を持つことを示した。得られた非被約成分は、pathologyとして有名なMumfordの例の類似物となっている。
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