射影空間内の代数超曲面の関数体の構造について、ガロワ点理論の拡張となる新しい考察手法を開発することを目標に研究を行っている。射影空間内の代数超曲面の射影から得られる関数体の拡大がガロワ拡大となるときに、射影の中心点をガロワ点と呼ぶ。関数体の拡大がガロワ拡大とならない場合にはそのガロワ閉包を研究対象とすることになるが、具体的にはどのように考察すべきなのか、というのが本研究の主なテーマである。助成期間の最終年度である平成27年度は以下のような成果があった。 1. 平成25年度・26年度と進めてきた米田二良氏(神奈川工科大学)との弱ガロア・ワイエルシュトラス点についての共同研究の結果得られた内容をまとめた論文を投稿し、Journal of Korean Mathematical Society にアクセプトされた. 2. 三浦敬氏(宇部工業高等専門学校)・深澤知氏(山形大学)と共同研究を行い、平面曲線のガロア点を一般化した点である「準ガロア点」について、その一般論について整理した。それらの結果は"Quasi-Galois points"というタイトルの論文にまとめられ、プレプリントサーバーに掲載してある(arXiv:1505.00148)。現在論文は学術雑誌に投稿中である。
|