研究課題/領域番号 |
25400062
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
剱持 勝衛 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (60004404)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 平均曲率ベクトル場 / 複素空間形 |
研究概要 |
複素2次元複素空間形内の実2次元平均曲率ベクトル平行曲面の局所分類が完成したのでその結果を述べる:先ず、ケーラー角度関数が定数の場合はB.Y. Chenにより分類されているので、以後はケーラー角度関数が非定数とする。次に、複素化第二基本テンソル場の一つをaで書くとき、 aがその共役関数と一致する場合はHirakawaの研究によりそ分類が完成している。残る問題はaがその共役関数と一致しないときで、本研究ではそのような曲面を一般型と呼ぶことにする。すると、本研究で「複素2次元複素空間形内の一般型実2次元平均曲率ベクトル平行曲面は一つの実調和関数とある定数に依存して定まる」という結果が得られた。この結果は2013年秋越後湯沢での部分多様体研究集会で報告した。これまでの研究代表者の研究で調和関数に対し、このような曲面を構成できることは知られていたが、その曲面の微分幾何的特徴付けが得られたことになる。この内容の論文を作成しある雑誌に投稿中である。 余次元が2より大であるときの研究については、ブラジルのTribuzy教授と共同研究が進展中である。研究実施計画に従い、有用な法ベクトル場の候補となるべきものを見つけたので、現在はそれらのベクトル場を使い第二基本形式を書き下し構造方程式系を記述してるところである。ブラジルのマナウスに10日間、続いてフォルタレーザに10日間滞在し、彼の地の研究者と本研究主題である曲面について種々の意見交換や情報収集を行った。 本研究課題に関係する結果をブラジル、トルコでのワークショップで発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画の(1)については、ほぼ達成された。 成果を記した論文が完成し、それをある雑誌に投稿している。研究実施計画の(2)については断片的な結果を得てるいるが、いまだ最終的結論を得てない。研究実施計画の(3)については、ブラジルにTribuzy教授を訪ね10日間集中的に議論し、有益な結果を得ている。
|
今後の研究の推進方策 |
余次元2の場合は、研究代表者の得た局所分類定理を応用して、大域的結果を導く。曲面が球面に位相同形であるときは分類がなされているので、本研究では次の目標として曲面がトーラスに位相同形であるときの研究を行う。そのための研究手段としては正則微分を使う。 その正則微分の係数に本研究代表者の得た局所分類委定理を応用して、トーラスの場合の結果を出すことを目標とする。次に完備極小曲面理論をモデルとして非コンパクトなリーマン面からの一般型曲面の幾何学を発展させる。 余次元が2より大の場合は、これまでの結果を使い、構造方程式を書き下し、そのような曲面の存在を証明したい。 関連する研究として、平均曲率が一定とは限らない一般型回転超曲面の幾何学的性質を研究する。
|