研究課題/領域番号 |
25400063
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
守屋 克洋 筑波大学, 数理物質系, 助教 (50322011)
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研究分担者 |
塚田 和美 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 教授 (30163760) [辞退]
長谷川 和志 金沢大学, 学校教育系, 教授 (50349825)
大仁田 義裕 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (90183764) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 超共形写像 / 極小曲面 / 四元数的正則幾何 / 共形写像 / ワイエルシュトラス表限公式 / ツイスター空間 / 正則写像 |
研究実績の概要 |
リーマン面から四次元ユークリッド空間への超共形写像は四次元ユークリッド空間の正則なリフトを持つ。このような写像をツイスター正則な写像という。四元数的正則幾何は、超共形写像を理解するために効果的な、写像の理解の仕方を提供する。従って、ツイスター空間と四元数的正則幾何の関連を明らかにすることは超共形写像の研究において重要である。 今年度は、共同研究者の金沢大の長谷川和志とツイスター空間と四元数的正則幾何の関連を研究し、関連を完全に説明する最終的な結果を得た。これにより共形写像に対して何が標準的なツイスター空間へのリフトとなるかが明らかになり、このリフトを用いて共形写像のリーマン幾何的な性質が種々明らかになることが判明した。また、共形写像の微分を標準的なリフトと四元数の積を用いて分解することができ、これが過去に一般化されたワイエルシュトラス表現公式と呼ばれていた種々の共形写像の表限公式を与えることが判明した。この結果をプレプリントにまとめ公開し研究会で発表した。 超共形曲面のベックルント変換は極小曲面となる。従って、極小曲面を研究しベックルント変換による超共形写像の対応の仕方を研究することにより、超共形写像の性質が明確になることが期待できる。 今年度は連携研究者のKatrin Leschkeと極小曲面のヤコビ場について四元数的正則幾何を用いて研究した。また、過去の極小曲面のシンプル・ファクター・ドレッシングについての研究成果についてLeschkeが講演した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、本人の研究期間中に出版に至った論文が一つ、プレプリントが二つあり、現在進行中の研究が二つ、うち、期間中に完了することが見込まれるものが一つある。共同研究者の関連する研究も出版に至った論文が二つある。従って、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は現在進行中のクリフォード代数を用いた超共形写像の高い余次元化を研究を完成させ、論文を投稿する。また、共同研究者と連携研究者を含めて、今までの研究成果を発表する研究会を組織する。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末から次年度にかけて海外の連携研究者との共同研究のための旅費が不足し、前倒し支払請求を行った。旅費が想定していた金額よりも低く抑えられたため、差額が次年度使用額となって現れた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は共同研究者のお茶の水女子大学塚田和美と金沢大学長谷川和志と最終の研究打ち合わせを行い、全ての研究をまとめる。本研究課題の総まとめとして国際研究集会を組織し、研究成果を発表する。
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