コンパクト リー群のそれ自身への超極作用でシグマ作用と呼ばれるものがある.シグマ作用は随伴作用の拡張概念であり,自己同型写像から構成される.その自己同型写像が内部であるための必要十分条件はシグマ作用が本質的に随伴作用になることである.随伴作用については多くの研究成果があるので,外部自己同型写像から構成されるシグマ作用に興味がある.前年度はコンパクトリー群が古典型単純リー群の場合に,シグマ作用の軌道空間と個々の軌道の性質を調べ,結果をICMサテライト 2014で発表した.今年度は前年度の結果を一般のコンパクト単純リー群の場合に拡張した.軌道空間や個々の軌道の性質を記述するために自身で定義した対称三対が有効に機能することがわかった.得られた結果は極大トーラス理論の拡張になっている.研究成果は論文にまとめ投稿中である.
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