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2013 年度 実施状況報告書

コンパクト等質空間上のアインシュタイン計量の研究

研究課題

研究課題/領域番号 25400071
研究種目

基盤研究(C)

研究機関大阪大学

研究代表者

坂根 由昌  大阪大学, その他部局等, 名誉教授 (00089872)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード等質アインシュタイン多様体 / 一般化された旗多様体 / リー群上の左不変計量のなす空間 / Stiefel 多様体 / リーマンサブマーション / リッチテンソル / 等質ケーラー計量 / グレブナー基底
研究概要

等質空間上のリッチテンソルが正の不変なアインシュタイン計量の研究を、ArvanitoyeorgosおよびChrysikosと共同で行った。一般化された旗多様体上の不変なアインシュタイン計量の研究について、等方部分群により4つ以下のの既約成分に分解される場合の研究は2012年頃にほぼ完成していたが、一般化された旗多様体Sp(n)/(U(p)xU(n-p)) について得られた非ケーラーなアインシュタイン計量が等長変換を除いて一意的であるかどうかは不明であった。これについて、等長であることを示した。また、等方部分群により5つの既約成分に分解される場合の一般化された旗多様体を全て分類し、この多様体上の不変なアインシュタイン計量の研究を行い、アインシュタイン計量を全て分類した。さらに、等方部分群により6つの既約成分に分解される場合に関しては、t-ルートが G2型 の旗多様体上の不変なアインシュタイン計量の研究を行い、不変なアインシュタイン計量をすべて見いだした。
さらに、Stiefel多様体上の不変な計量の研究を開始し、新しいアインシュタイン計量を見つけることに成功した。コンパクト単純リー群上の新しいアインシュタイン計量の存在を研究する問題にこの方法を用いることにより、直行群上のnaturally reductive でない新しいアインシュタイン計量の存在を示せた。さらに、F4、G2型のコンパクト単純リー群に関しては、等方部分群により3つの既約成分に分解される場合の一般化された旗多様体を用いることにより、naturally reductive でない新しいアインシュタイン計量の存在を示せることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

一般化された旗多様体上の不変なアインシュタイン計量の研究について、等方部分群により5つの既約成分に分解される場合を全て分類し、この多様体上の不変なアインシュタイン計量を全て分類した。また、6つの既約成分に分解される場合は、t-ルートが G2型 の旗多様体上の不変なアインシュタイン計量の研究を行い、分類を完成させた。これには、リー環の表現論およびリーマンサブマーションの理論が有効であること、また、等質なケーラーアインシュタイン計量の情報とを組み合わせることが、計量のリッチテンソルを決定する上で重要であったが、この有効性が再確認できた。また、コンパクト単純リー群上の新しいアインシュタイン計量の存在を研究する問題に関しても、naturally reductive でない新しいアインシュタイン計量の存在を示せた。

今後の研究の推進方策

引き続き、一般化された旗多様体上の不変なアインシュタイン計量の研究を行なう。第2ベッチ数が2である一般化された旗多様体のうち例外型のものは、最近、ロシアの数学者により分類されたので、これを利用して、リッチテンソルを求めることを研究する。
コンパクト単純リー群上の新しいアインシュタイン計量の存在を研究する問題に関しても、一般化された旗多様体を利用する方法、および、Stiefel多様体を利用する方法を考える。これらのファイブレーションに付随したコンパクト単純リー群上の計量を考察し、naturally reductive でない新しいアインシュタイン計量の存在を研究する。さらに、他のファイブレーションを利用して、同様の考察ができないかについても、検討する。このためには、リッチテンソルの計算、および、アインシュタイン方程式(代数方程式となる)の解を求めることが問題となるが、グレブナー基底を計算する方法を引き続き用いる。
また、本研究で必要となる研究費は、本質的に旅費である。これは次年度においても変わらない。国内・国外の各地で開催される研究集会やセミナーに積極的に参加して、多くの研究者との意見交換を通じて最新の研究成果や結果を収集する。また、研究集会は得られた成果を発表する場でもある。これらの目的のため,旅費を有効に活用する。

次年度の研究費の使用計画

海外共同研究者を招聘する予定であったが、先方の都合により、2015年3月に延期したため旅費の使用額が少なくなった。
本研究で必要となる研究費は、本質的に旅費である。これは次年度においても変わらない。国内・国外の各地で開催される研究集会やセミナーに積極的に参加して、多くの研究者との意見交換を通じて最新の研究成果や結果を収集する。また、海外共同研究者を日本に招聘し、コンパクト等質空間上のアインシュタイン計量についての共同研究を行なう。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Proving isometry for homogeneous Einstein metrics on flag manifolds by symbolic computation2013

    • 著者名/発表者名
      A. Arvanitoyeorgos, I. Chrysikos and Y. Sakane
    • 雑誌名

      Journal of Symbolic Computation

      巻: 55 ページ: 59 - 71

    • DOI

      10.1016/j.jsc.2013.03.005

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Homogeneous Einstein Metrics on Generalized Flag Manifolds with five isotropy summands2013

    • 著者名/発表者名
      A. Arvanitoyeorgos, I. Chrysikos and Y. Sakane
    • 雑誌名

      International Journal of Mathematics

      巻: 24 ページ: 1-52

    • DOI

      10.1142/S0129167X13500778

    • 査読あり
  • [学会発表] New homogeneous Einstein metrics on Stiefel manifolds and compact Lie groups SO(n)

    • 著者名/発表者名
      坂根由昌
    • 学会等名
      The 12th Conference on Differential Geometry and its Applications
    • 発表場所
      Masaryk University Brno, Czech Republic
  • [学会発表] New homogeneous Einstein metrics on Stiefel manifolds and compact Lie groups SO(n)

    • 著者名/発表者名
      坂根由昌
    • 学会等名
      広島幾何学研究集会 2013
    • 発表場所
      広島大学 大学院先端物質科学研究科(東広島市鏡山)
    • 招待講演
  • [図書] Prospects of Differential Geometry and Its Related Fields: Proceedings of the 3rd International Colloquium on Differential Geometry and Its Related Fields2013

    • 著者名/発表者名
      A. Arvanitoyeorgos, I. Chrysikos and Y. Sakane
    • 総ページ数
      228 (15- 38)
    • 出版者
      World Scientific Pub Co Inc

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公開日: 2015-05-28  

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