研究実績の概要 |
コンパクト単純リー群の等質空間上の不変アインシュタイン計量の研究、およびコンパクト単純リー群上のnaturally reducitiveでない左不変アインシュタイン計量の研究を Arvanitoyeorgos, Chrysikosおよび Statha と共同で行った。 コンパクト単純リー群の等質空間の例であるStiefel 多様体上の不変なアインシュタイン計量に関しては、G. Jensenにより2つのアインシュタイン計量が発見され、その後、Arvanitoyeorgos, DzhepkoとNikonorov によりいくつかのStiefel 多様体上に新しい不変なアインシュタイン計量が見つけられた。しかしながら、Stiefel 多様体 SO(n)/ SO(n - 4) (n > 5) 上に、Jensenによる不変なアインシュタイン計量以外に存在するかは未解決であった。Arvanitoyeorgosおよび Statha と共同で、新しい不変なアインシュタイン計量の存在を示した。 一方、1976年に、D'AtriとZillerは、コンパクト単純リー群上にnaturally reducitiveでない左不変アインシュタイン計量が存在するかという問題を提出した。Arvanitoyeorgos, 森と研究代表者により、いくつかの場合に、naturally reducitiveでない左不変アインシュタイン計量の存在を示したが、新しい手法により、コンパクト単純リー群SO(n)およびSp(n)上にnaturally reducitiveでない左不変アインシュタイン計量が存在することを示した。これらの計量は、以前知られていたものとは異なる新しい左不変アインシュタイン計量である。 さらに、一般化された旗多様体を用いる方法により、Chrysikos と共に、例外型のコンパクト単純リー群E6, E7, E8, F4, G2 上にnaturally reducitiveでない左不変アインシュタイン計量が存在することを示した。また、Chrysikos と共に、例外型のコンパクト単純リー群 E8の一般化された旗多様体について、等方部分により5つあるいは6つの既約成分に分解されるとき、新しい不変なアインシュタイン計量が存在することを示した。
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