研究課題/領域番号 |
25400074
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
石田 政司 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50349023)
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研究分担者 |
都築 正男 上智大学, 理工学部, 准教授 (80296946)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | リッチフロー / 熱方程式 |
研究実績の概要 |
本研究課題の主な目的は、Ricci flowに対するHamiton-Perelman理論の類似が構築され得るような幾何学的フローの性質を調べることである。そのような幾何学的フローの非自明な例として、Ricci Yang-Mills flowと呼ばれるものがある。本年度は、Ricci flowの一般化として導入されたRicci Yang-Mills flowの性質を調べ、以下の成果をあげることができた。 (1)Ricci Yang-Mills flowに付随する共役熱方程式の解に対するハルナック不等式を底空間の次元が2次元の場合に証明することができた。 (2)Ricci Yang-Mills flowに沿って単調性をもつ新しい汎関数を、底空間の次元が2次元の場合に構成した。その汎関数の単調性は、非局所崩壊定理などのRicci flowで証明されている一連の重要な結果をRicci Yang-Mills flowに対しても定式化できることを示唆しおり、大変興味深い結果と言える。 (3)Ricci Yang-Mills flowに沿った幾何学的作用素の固有値の単調性について考察した。このような考察は、Ricci Yang-Mills flowの周期解を考察する上で重要となる。 成果(1)については、論文としてまとめ学術雑誌に投稿した。成果(2)および(3)については、学術雑誌に投稿すべく論文を現在準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Ricci Yang-Mills flowはRicci flowの一般化であるが、その性質についてはほとんど何も知られていない状況にある。Ricci flowで知られている一連の結果をRicci Yang-Mills flowに対して期待することは自然ではあるが、多くの困難がある。少なくとも安易な拡張はできない。そのような中、Ricci Yang-Mills flowに対するハルナック不等式を証明できたことは特筆すべきことである。
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今後の研究の推進方策 |
Ricci flowおよびRicci Yang-Mills flowに代表されるRicci flowの一般化については、様々な視点から多くの研究者によって研究が進められている。そのため、情報収集が欠かせない。関連する研究集会に積極的に参加し、研究分担者および共同研究者と議論を行うことで、研究を増進させる。
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