研究課題/領域番号 |
25400080
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
下川 航也 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (60312633)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 結び目 / DNA |
研究概要 |
本年度の研究では、DNA組換えの特徴付け、および、格子結び目のステップ数の研究に関する成果を、論文、講演の形で公表している。 DNA組換えの特徴付けに関しては、Xer-dif-FtsKによるDNA絡み目の解消の特徴付けを行った論文をProc. Natl. Acad. Sci. USAに掲載した。この論文では組換え酵素Xerがタンパク質FtsKと共にDNA絡み目を解消する際に、各組換えで結び目や絡み目の交点数が下がると仮定した際に絡み目解消経路が一意に定まることを示した。さらに今年度の研究でそのメカニズムを決定することができた。数学的結果は既にプレプリントとして公表しており、生物学的論文は現在執筆中である。そこでは、ファイバー絡み目のある種のバンド手術の特徴付けを行っている。 また、結び目の巡回的デーン手術に関する論文を、数理研講究録に発表した。ここでは巡回的デーン手術を持たない結び目のタングルを用いた構成法なども含んでおり、その結果のDNA組換えの特徴付けへの応用が期待される。 これらの成果を含むDNAトポロジーに関する国内研究集会での招待講演を2つ行った。 また、格子絡み目については、チューブ状領域内の結び目の最少ステップ数の研究を行った。特に、1x2xRという細い領域においての最少ステップ数の決定を行った。その結果はプレプリントとして公表しており、さらにカナダでの国際会議において講演を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、研究分野において重要な雑誌であるProc. Natl. Acad. Sci. USAに研究成果の論文を発表することが出来た。さらに、その研究成果に関し講演の依頼を受け講演を行っている。また、当初の予定にあったファイバー絡み目のバンド手術の特徴付けに成功し、プレプリントとしてまとめている。また、格子絡み目のステップ数に関しても順調に研究が進んで成果を得ている。符号付き交差交換についても研究を続けており、おおむね当初の計画通りである。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の成果を受け、DNA組換えに関しては数学的成果が十分得られたため、その成果の応用の論文を来年度まとめる。現在の計画ではシミュレーションなどの成果を含めた先の結果の拡張に関するものと、より一般の組換えに関する議論を含んだものを作成する予定である。 格子結び目に関しても、数学的な研究成果は十分得ることが出来ている。シミュレーションなどを含め、いくつかの論文として来年度発表予定である。 符号付き交差交換に関しては、生物学的な問題の数学の問題へのモデル化をさらに深める必要を感じているので、その点から研究を構築する予定である。
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