現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
向きづけられた2m次元多様体M上にその向きを保つように有限群Gが作用していて,その固定点集合が点の集合となっているとする. このとき,接束TMの複素化をj回楔積してできる複素ベクトル束 E_j をそれぞれ L_j 回テンソル積した上でさらにそれらを j=1,2,...,m に関してテンソル積した複素ベクトル束を E_L_1L_2,...,L_m とすれば,この複素ベクトル束に値を持つ符号作用素の同変行列式は,全ての L_1,L_2,...,L_m に関して,GからR/Zへの加法的準同型写像 I を与える.この事実は,もし I の値を精密に求める方法がわかれば,固定点周辺のG作用の回転角などに関する大量の制限条件が得られることを意味する.Mに作用するGの要素gの位数がpならば I(g)×p は整数となるから,この整数を正確に求める方法が必要となる.現在までの研究で,Zagier の公式を一般化することによって,この整数を正確に求める公式を得た.後は応用例を作成することによって論文が完成する.
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